‘温泉天国’とは程遠い記録 その4

…色々と弱気なことも書いてしまったが、長年こつこつと培ってきた図太い神経があるし家族・友人もいてくれるのでこれからもちゃんと前向きにやっていく自信はある。
そして忘れちゃならない、私にはスマップがある。
なんだよ、こんな時までそんな話かよ…とはどうか言わないで下さい。
本当に、嘘かと思うくらいに支えてもらったのだ。

手術前日のスマスマがどんなに気晴らしになったことか。
ドラマはどれもこれも見る気がしなかったが、スマスマだけはいつものように笑って見られた…それだけでも助けられた。
そしてなんといってもあの日の「トイレットペッパーマン」だ。あのバカ丸だしな5人のおっさんたちがいてくれたから、私は術後の底無し沼のような気分から立ち直れたのだ。

麻酔が切れかけて最初に目に映ったのは痛みに色を失った自分の爪。
一瞬そこが小学校の教室かと錯覚した。
授業中に自分の手をぼんやりと見つめて「これはなんだろう」とふっと考えこんだ10歳頃の自分がオーバーラップしたから。
しかしすぐに、そんなぼうっとした意識でも「なぜここに居るのか」を嫌というくらい思い出して吐きそうになりながら、寄る辺のない気持ちをどうにかして振り払おうとした。
その時あの歌が鳴り響いたのだ、こっちに来い!と言わんばかりに。
有り難くて、可笑しくて(そんなときでもやっぱり可笑しかった、だってあの曲だ)、少し泣いた。哀しみにひたるとかではなく、ひたすらに彼らのバカっぷりが愛しくて優しくて沁みて。

悲しいことも苦しいこともあるだろうけど、また来年コンサートで会おう。
そう言ってくれる人達のことを好きになって良かった。
「人を笑わせるのが好きだ」とずっと言い続けている人の真意を天の恵みのようにさえ感じる。

あーあ、最後はヲタ語りになってしまった。
仕事が忙しいのにドラの相手をするために大急ぎで帰宅してくれたり、朝から洗濯や食事の支度をしてくれた大将の立場がないじゃないか。

しっかり感謝しております。作ってくれたシチューも肉じゃがも鴨鍋もすごく美味しかった。
恐らく私を励ますためにお気に入りのぬいぐるみ(名前は心配ロバくん)を貸してくれたドラにも。
丁寧に言葉を選び、励ましてくれた肉親や友人たちにも。
口に出さずに心を砕き、そっと念を送ってくれた友人達にも。
そのひとりひとりの中の全宇宙に向かって私は手を合わせます。