初秋の温泉三昧? 貝掛温泉

この日は、湯沢からほど近い「貝掛温泉」に行ってみることに。
名前は知っていたがはじめて行くのでワクワクと温泉好きの血が騒ぐ。
着いてみるともーこれがまた!
「日本秘湯を守る会」の心くすぐる提灯つきの素朴な一件宿。
一目見て「これはいける!」と直感できる風情だ。

日帰り入浴(休日料金で)1200円はちょっと高いかな?と思ったが、温泉が素晴らしいのでマル!
「目の温泉」として有名な上杉謙信の隠れ湯、だそうだ。

何がいいってまずは環境。
川と林と山々に囲まれた宿はひっそりとして落ち着く。
庄屋造りの宿はそれ自体α波を醸し出しているかのようだ。
お湯はといえば、37度弱のぬる湯でじっくり楽しめる。
男性用の露天が広くて景観も良かったようだが、女性用の内風呂と露天も捨てたもんではない。
(宿泊すると時間によって男女のお風呂が入れ替わるらしい。)

風呂あがりはあらかじめ予約しておいた「岩魚定食」を食堂でいただく。
さほど期待していなかったのにとっても美味しい!
岩魚はもちろんのこと、野菜の煮物や小鉢、湯葉のお吸い物もすべて上品かつ繊細な味。

「昨日のお寿司よりよっぽどいいね」
「値段じゃないよね」
「でももしかして年とっただけか?」
「そうともいう…」
なんて会話を大将(夫・仮名)と交わしながらパクつく。
ドラ(息子・仮名)もあれこれつまみ食いをしては「おーいしーい!」とビストロSMAPのような歓声をあげる。
両親が食いしん坊なので好き嫌いがほとんどなく親孝行な息子じゃ。
温泉も父親以上に長く入りたがったそうで、大将はいい加減にしてくれよ!と内心思ったらしい。
ま、0歳から温泉修業しておりますからね、ドラは…。

温泉と昼食を堪能した後は宿付近の散策コースをしばらく歩く。
ススキが見事な川沿いの道をぬけ、楢林へ向うと静まりかえった柔かな道だ。
雨上がりの空気が実においしい。
ここの宿にしばらく逗留できたらいいのになぁと思いつつ、貝掛温泉に別れを告げた。