ニンゲン御破産を観た?全体の印象編

面白かった!
その一言で片付けるのはあまりにも乱暴だが、まずはコレ。
3時間半もの長い芝居中に何度も吹き出した、涙流して笑った、手を叩いてオオウケした!

言葉で笑わせ動きで楽しませ、ストーリーで引き込む松尾スズキ(作・演出・鶴屋南北役として出演も。)
流石は超一流の歌舞伎役者、存在感と口上の鮮やかさで圧倒する中村勘九郎(主役)。
脚本家クドカンではなく役者として登場の色男(私見宮藤官九郎河竹黙阿弥役として出演)。

しかし彼らだけではない。
個性派集団ともいうべき役者さん達が主役をも食わんばかりの勢いでぞろぞろと。

その中でも!
片桐はいりさんには惚れましたっ!
TVでしか見たことがなかった彼女については、今までは印象的な顔立ちだけしか知らなかったようなものだ。
あの天才的とも思える台詞回しの見事さ・滑舌の良さ、大きな体躯とキレのある動きによるダイナミズム、これらは舞台でこそ映えるものなのだろう。
舞台でのはいりさんに出会えたことは、木村じゃないけど「最高」で「感動」的な特筆すべき出来事でございまするっ!

荒川良々のすっとぼけぶりや阿倍サダヲの弾みぶりも凄くいい。
舞台(作品自体、美術・音楽・衣装なども含めて)も変化と工夫とシャレに富んでいて楽しい。
ストーリーは混沌とした幕末を背景に虚実と伏線が織りこまれている。
主役に吐露させた劇作家の苦悩はいうまでもなく松尾スズキ自身のそれだろう。

とにかく見飽きなかった!
大きな万華鏡の中に放りこまれたような感覚で、荒唐無稽なエピソードもええじゃないか!一人何役やってもええじゃないか!と踊りたくなるワタクシであった。

以上、久しぶりに舞台を見て興奮した頭と久しぶりの渋谷で人ごみに疲れた体のままの書きなぐり。
時代や歴史上の人物に対する知識がもっとあれば、作者の真意がより深く伝わったんだろうな…と思う。でも充分楽しめたからええじゃないか!

まだもう少し感想など書きたいのでまたしてもシリーズ化いたします。
くどくてすんまそん!