謎の下宿人を観劇して感激の感想。その1

前売券を押さえていなかったので無理だろうと諦めていた「謎の下宿人」(ゴロちゃん主演)を、なんと「当日券しかもキャンセル待ち10番」という…滑りこみセーフ的状況で見てこられた!
強く思えば通じる…というひとつの現れといえよう。
(どんなに念じても通じないものも当然あるが。まぁそれはおいといて。)

以下舞台の感想であります。
ネタバレバレですので、これから見る御予定の方はお気をつけ下さい。

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昭和30年代を彷彿とさせる古い下宿屋が舞台となり、そこに暮らす人々を温かくユーモラスに描いたこの作品は、「あすか」(NHK朝ドラ)の脚本等で知られる鈴木聡さんの作である。演出は山田和也さん(三谷幸喜と同じ東京サンシャインボーイズ出身)。
主演は吾郎ちゃん、とはいっても登場人物(全部で9人)すべてが主役であり脇役であるといってよいだろう。
役者さんたち、皆とても味があって素晴らしかった。
(ちなみにゴロちゃん以外の出演者は佐藤仁美、松金よね子羽場裕一、渡辺哲、阿南健治、谷川清美、三鴨絵里子、平田満。敬称略。)

レトロな下宿が舞台のすべてで、3時間という長い芝居中に一度も場面転換がない。
それなのに飽きさせず観客を惹き込むのは、随所に散りばめられたユーモアときびきびとした動きと、嫌味のないセリフのためだろう。
そして吾郎ちゃんの魅力全開の「町田恭平」という主人公のキャラクターが良い。
飄々淡々として何を考えているかわからないタイプだけど、不思議な磁力があって柔らかい。
まんまゴロちゃんのイメージなので、見ている側はすぐに舞台上の「町田くん」のファンになってしまう(人が大半だと思う)。
町田くんだけではない。登場人物すべてがなんとも愛すべき人達で、私なんぞは「あの下宿で一緒に宴会やりたいっ!」と熱望したくらいだ。
しみじみさせる部分もありながら、決してまったりとはせずテンポ良く元気良く、大人の口説き文句(清さんby渡辺哲さん、惚れたっ!)にぐっときたりゴロちゃんの裸足に見惚れたり(コラコラ)…。

古くてこじんまりとしているけれど柔らかい湯が自慢の湯治場で疲れを癒してもらった…見終わった時、そういう感じがした。

感想その2へ続く。