品格

八ヶ岳日記を放棄して(いや、そのうち書きますが)つれづれ日記。

今日のお昼に「笑っていいとも」を見ていて、「五億円の犬小屋を持っていて」「ミグ戦闘機に乗って成層圏を飛んだ」人間なんてものがいるんだなぁと呆れた。
覆面で登場してきたその御当人はだーれだ、という他愛も無いクイズ。

で、このお人は年齢不祥のマジシャン・引田テンコー。
大笑いしたのがつよぽんの答えだ。

「ムツゴロウさん」

犬小屋、という点だけを重視したらしいのだが…ムツゴロウさんはミグ戦闘機に乗らんだろう!
笑いながら思った。

五億円のプリンセステンコーには品格を感じられないが、‘ムツゴロウさん’とフリップに書くつよぽんは品格の芽がちゃんと備わっている、と。

なんで今日この「品格」にこだわるかというと、カズオ・イシグロの「日の名残り」を読了したばかりだからなのですけどね。
イギリスの執事・スティーブンスが執事として歩いてきたわが道を淡々とふりかえり、英国の田園風景を旅するお話だ。
途中まで少し退屈しながら読んだ。翻訳小説であることにも起因するのだろうがどうにも(特に最近の)自分には馴染めないムードだったから。
でも決して嫌いなわけではない。
ことに終盤の展開には惹きこまれ、説得力のある言葉と光の射す結末にとても満足できた。

そしてこれを読んでいる間中ずっと頭から離れなかった言葉が「品格」なのだ。
ティーブンスが何度となくそれについて思考し語り物語が進むので印象深くて当然だが、そうでなくても気になる言葉である。
多分これから先もずっと「品」「品性」「品格」ということについて、なんとはなしに考え続けるだろう。

上品とまではいかずとも、下品と呼ばれたくはない。

でもなー
スマヲタだしなー(スマヲタ=下品ではないけどさ)
享楽的で欲望に正直だしなー
ずぼらで手抜きで自分に甘いしなー
それはそれでいーやんか!とかすぐ開き直っちゃうしなー

こんなワタクシに「品格」を語る資格は、まだない。とほほ。
なんだか唐突で突飛な内容でございました、おそまつ。