WHAT A WONDERFUL WORLD

先日ケーブルから捕獲した「ボウリング・フォー・コロンバイン」を今日になって見た。
時まさにカンヌ祭り。
ハニー木村@レッドカーペットは本当にいい顔をしていた。
興奮と晴れがましさに縁取られた頬、どこまでも前向きな闘志に満ちた眦、喜びと誇りと照れとを唇に浮かべて。
も少し髪の色は渋めに!とかバッチリ蝶ネクタイでもよかったんじゃないの!とか注文をつけようかと思ったけど、もういいや♪(デレデレ)

なんて浮かれていたんだが。
今年のカンヌでも「華氏911」で批評家連盟賞を受賞したマイケル・ムーア監督の前作「ボウリング…」は私のお祭り気分を一瞬沈め、様々な事柄をしっかり考えろ!と叱ってくれた…気がする。
見終わってなんとも暗澹たる気持ちになった。
だがこの痛烈な批判精神に満ちたドキュメンタリーをようやく見られて良かった。
DVDに落として保存決定!
たまたま今、友人に借りた野田秀樹の「20世紀最後の戯曲集」も読んでいる私はひょっとしたら、ある種の権力者から見れば‘危険な思想の持ち主’になっているかも、ははは(乾いた笑いですわ〜)。
作品中で流れるWHAT A WONDERFUL WORLDが辛くやるせない。

今日のニュース(日朝首脳会談にまつわること)もほろ苦さばかりを感じる。
もちろん5人のお子さんたちが帰ってこれたことそれ自体は喜ばしいことだが、彼らの目にこの日本がどう映るのだろうかとつい心配にもなる。匿名性の強い安全な場所で平気で人をののしり、のぞき根性旺盛な現在の日本だ。彼らを優しく遠くから見守るなんていう芸当は望めないだろう…。
そして北の地に積み残してきた課題はあまりに大きい。
またあの曲が頭の中でなり響く。

だけど悲観しすぎて本当のWONDERFUL WORLDを追求する気持ちを失ってはイカンよな。
イラクの現実、引き離された家族の現実、虐待される子供の現実、飢餓の現実、ありとあらゆる暴力と紛争と貧困の現実は動かし難いものだけれど。
世の中には醜いものが溢れているが美しいものだってたくさんあるのだ、それを享受できる幸せをしっかり意識した上で自分に出来ることを考えて行動するしかない。
すべての美しいものはパワーの源。
だから観るぞ〜2046も華氏911もスマコンも演劇も!
現実逃避のためでなく、勿論麻酔としてでもなく、現実と共に闘いWONDERFUL WORLDを実現するためにっ。(妙に肩肘張ってますかしら?)