ドラと観るアテネオリンピック

自分自身がハッキリ思い出せるオリンピックはモントリオール@カナダから。
なんと言っても印象深いのはルーマニアナディア・コマネチ、その可愛らしさと大舞台での心臓の強さと完璧な演技に夢中になったものだった。
恐ろしく運動音痴だったくせに自分もひょっとしたらあんなことできるんじゃないかと妄想し(そのころから妄想癖があったのね…)密かにキメのポーズだけ練習したりしていた10歳の夏(そのころからオオバカだったのね…)。

それ以前のオリンピックはまったくと言っていいほど覚えていないから、4歳半のドラがアテネを記憶し続けることはあまり期待できない。
でもそれなりに楽しんでいるようだ。
体操を見れば「どうして鉄棒が曲がるの?」「なんで落っこちないの?」、水泳を見れば「ねぇこのプール深い?溺れない?」、柔道を見れば「ねぇこのひとは男の子?女の子?」などと初歩的というか根源的?な質問を投げかけてくる。
可笑しかったのが卓球の愛ちゃんを見たときだ。
大将(夫・仮名)がその昔卓球をやっていたこともあり、愛ちゃんのことは以前からドラも知っている。小さい頃の映像もよく映るのでドラはもしかすると自分とあまり変わらないくらいの年齢だと勘違いしていたのかもしれないのだが。

福原愛選手、15歳です」という解説者の声にピクッと反応し、「えっ!愛ちゃんってもう15歳なのっ?」と素っ頓狂な声で叫ぶドラ。
「そうよー愛ちゃんは15歳なのに強いねぇ」と台所から答えるとドラがひどく哀しそうに「でも…愛ちゃんに見えない…」とつぶやいている。
画面を見た。
それは対戦相手のガオ・ジュン選手(35歳)だよぉ!

こんなスットコドッコイなドラだが、こんな一面も。
必死で柔道の日本選手を声援する母を見て呆れたようにドラは言うのだ。
「あのねぇママ。そんなに応援しても聞こえないんだよ。だってテレビなんだから。」
意外に醒めてるのね…。
「そんなことない!気持ちは通じる!」と熱くなる母を見て笑うドラは本当は私より大人か?国粋主義に走らないコスモポリタンか?(笑)

いずれにせよ、前回のシドニーは0歳で正真正銘の赤ちゃんだったドラが生意気なことを横でごちゃごちゃ唱えるアテネである。
私にとってはこれもひとつの忘れ難い夏。