「誰も知らない」について…まとまらないままに、1

いまだに感想らしい感想を書けずにいる映画「誰も知らない」なのだが。
どんなに感銘を受けても月日が経てば忘れてしまう部分もあるから、少しでも思ったことを書いておかなきゃな。
それにしても先日のNews23でやるはずだった特集(相次ぐ子供たちの受難、誰も知らないが問いかけるもの)がプロ野球のスト報道のために流れてしまったのは残念だ。ストもニュースバリューがあることは理解できるが、物事の優先順位を再考してもいいんじゃないだろうかTBSさんよ。少なくともストで死ぬ人はいないのだ(多分)。あの特集はお蔵にせずにいつかちゃんとやって下さいよー。

それにしても感じ方というのは人それぞれで。だから面白いんですが。
映画の主題歌が非常に素晴らしかったと先日書いたばかりだが「ラストの歌で退いた」という方もおられた。
映画をまだ見ていないが興味があるとおっしゃるママ友さんは「母親役がYOUなんでしょ、いかにもって感じよねぇ」と。いかにも子供を放って出て行きそうなイメージだと。
うー。そうなのかもしれないんだけど。やはりちょっと感覚が違う。

映画の中で監督は決して母親を完全悪には描いていないし、YOUの持つ「一風変わっているけど友達になれそう」(と思うのも少数派なのかもしれんが)を活かしていたと思う。
ただ、あの母親が罪深いことに変わりはない。

遠藤周作さんも書いておられたっけ、「愛とは棄てないこと」だと。
どんな親でも子供は親を無条件に愛し赦し求める。
もし親からの愛が十分でない時は「自分が悪いからだ」と自責する。
成長して親を憎んだり恨んだりしたとしても同時にそんな自分を責め続ける。
子供を持たない人はいても親を(生物学的に)持たない人はいないわけで、そんな子供の心の動きはとても切ない。

映画を見る前日にたまたま短いドキュメンタリーをTVでみた。
母親と別れて暮らす幼い4姉妹と、育児放棄した母親がインタビューを受けていた。
4姉妹は親代わりの保育士さん(24時間体制の保育で一緒に生活している女性)に甘えてはいたけれど、やはり母親を求める気持ちは別の所に厳然とあった。
自らが虐待してしまうことを恐れて離れて暮らす母親からの連絡は不定期で、たまに会えても数時間。
それでも子供たちは精一杯のおしゃれをしてでかけていく。もしかしたら一緒に泊まれるかもしれないと淡い期待をして。

続く