天を突く

土曜の深夜に帰宅した大将はまたしてもあっけらかんと「ただいまぁ」ときたもんだ。
またしても酔っ払った顔だ。

そりゃ仕事でのつきあいもあろう。
かつて同じ会社だった私にはそこらへんはよくわかるつもりだ。
お酒を飲んだ上でのあれやこれやも(昔はまことに恥ずかしながら自分自身いろいろやらかしたので)よーくわかるつもりだ。

ストレスも半端じゃないだろうし楽しいばかりのお酒でもなかろう。

だが。
なーぜーれんらくをーしーなーいーッ!!

そう叫びたかったのだが。
何しろ私は喘息だ。
某生命保険会社から勧誘の電話が昼にかかってきたが咳き込んで「結構ですゴホゴホ、資料もいりませんゴホゴホ、すいませんゴホゴホ」と答えたら「だ、大丈夫ですか?」と心配されたほどだ。
咳のしすぎで腹筋が痛むほど弱っていたのだ。

「寝る」とひとこと大将に告げ寝室の襖を閉じた。
お仕置きは明日だ、覚悟しいやっ!と心の中でつぶやきつつ。

前日と違って安眠できた。咳も治まった。
友人にも言われたが喘息ってのは精神的なものもかなり左右するんだよな…と思う。

翌朝目覚めるとドラが私に代わって大将を怒っていた。

「なんで帰ってこねーんだよっ」
「すいません」
「なんで電話かけねーんだよっ」
「ごめんなさい」
「なんでお酒ばっかり飲んでるんだよっ」
「もうしわけありません」

父親の威厳まるつぶれだ。
おとーちゃんは酒飲みでずぼらなとこがあるけどドラにとってはこの上なくいいパパなんだがな。

スミコ「許してあげようよドラ」
ドラ「えー?」
ス「そのかわりさ、温泉旅行に連れて行ってもらおうパパのおごりで!」
ド「そうだね!」
ス「豪華舟盛りつきにしよう!」
ド「いいねいいね!」
大将「日帰りバス旅行じゃダメ?」
ス&ド「だめーっ!!」

ということで近々お仕置き旅行に行って来ますことよ(笑)。

なんでそんなに遅かったのかとか。
どこでなにをしていたのかとか。

追求しようとは思わない。
だってめんどっちーから。
叩けばホコリが出るのか出ないのかわからんが。

まぁ日記なんてものは恐ろしく主観のみで書いているものだから大将には分が悪いに決まっている。
個人的に彼をご存知の方はこの抗争は知らなかったことにしていただきたく。

まぁしかし、今度無断外泊したらこんな程度じゃすまねぇぜ。ふっ。