蛇よ!を観た その1(ネタバレあり)

面白かった!
それ以外にどんな感想を書けばいいのだ?というくらいに。
でも書き残したい。頑張ります。

松尾スズキ大竹しのぶによるショートコント風二人芝居が4話、その幕間に白黒映画(出しっぱなしの女)が3回に分けて流れる構成。

1話「初めてのSM」

沼地のラブホテルから男(松尾)が電話をかけている。
母親の会社から横領した金を使い尽くそうとSMの女王様を呼んだ…と自殺直前、老母に話しているのだ。
そこへ‘女王’が現れる(実は娘の代打)。
SMの女王だというのに、胸まである泥まみれのゴム長を履き大荷物(売り物の乾き物やら蛇やら)を持った田舎のおばちゃん(大竹)は「ジョディーフォスターですぅ」とひどい訛りで沼地について熱く語る。
とことん噛み合わない会話、すっとぼけた動き、突然始まるSMプレー(といっても「さぁ内ポケットにジャコを入れな!」等の何処へ向かうSなのかちっとも分からない責め言葉)。
涙を流して笑いながら、なんだかしんみりしたのは女王様のこの台詞による。

「親が許す、って言ったら本当に許してるんだよ」

まさにつかみはOK!な1話だった。

2話「突起物の女」

心療内科医(松尾)の処に舞台女優である患者(大竹)がやってくる。
サイケな格好(超ミニスカート&異様に縦長のカツラ)で夫の浮気などについて悩みを語りながら診察室のゴミ箱を覗く。
徐々に心を開きカツラをとった女優の頭には学ラン姿の中学生が刺さっていた…。
そこから医者の中学時代の回想シーンへ。
都会から転校してきた不良(大竹)と田舎の優等生(松尾)の、アナザーカントリーテイスト(そうか?)なやりとりは突然の事故で遮られる。
埋没していた過去の記憶(のようなもの)が匂いと共に立ち上る演出はシュールレアリズムでござんしたねぇ。
再び診察室に戻った時の医師の声が優しい。

「ゴミ箱、覗きたいですか?」

俄然、松尾スズキの伊良部センセが楽しみになった2話であった。

3話「これからの人」

精子の話(笑)。
めちゃくちゃ可笑しくて切ない。夢を語る精子。我先にと争う精子。やる気のない精子。ディナーショーをする精子
全身白づくめの衣装にぼよよ〜んと音符状の突起が頭についた二人が妙にキモ可愛い。
ディナーショー最高!
ブラックな宗教オチをやや桃井かおり風に喋る精子精子!)、これはもう大竹しのぶの真骨頂っすよ。

↓に続く