蛇よ!を観た その2(ネタバレあり)

↑からの続き

4話「刺したね」

恋人に裏切られ、無関係のひきこもり(松尾)を刺してしまった女(大竹)。10年目にやっと外に出た途端、女に刺されたひきこもりの喜劇…じゃなくて惨劇…なはずなのに「どうして自分だったのか理由を教えてくれ!」とくねくね切望する姿があまりに可笑しい。
動転した女はかつての友人(怪しい宗教にかぶれている)に電話して、すがったり恨み言を突きつけたり(その様子は1話の男が老母と話す風景とどこかオーバーラップする)、刺した男からのキャッチホンにうろたえたりと忙しい。
裏切った恋人が忘れて行った携帯電話もしばしば鳴り、着メロがファンタスティポってのも笑える。

1〜3話までは繋がっていないようで繋がっている部分があったが、4話だけ少し独立した話に感じた。
しかし全てに共通して「40代」が裏テーマだったような。

40歳での計画出産。
40代の男女の憂鬱。
40代の恋とその顛末。
40代の親子関係。

だから、あれだけ大笑いしたのに何故だかしんみりした感覚が終演後に残ったのだろう。
ほほほほ〜来年私も不惑〜!40歳から「初老」ってご存知でしたか〜?(トリビアネタだったらしい、これを姉のブログで読み愕然とした…へん!関係ないやいっ!)

気を取り直して。

幕間の自主制作っぽい映画はというと。
水道代を払わない女(大竹)と水道局の男(松尾)の仁義なき戦い?を周囲の人物を含めて描いたもの。
この面白さはどうしても再現できない!
人形で遊ぶダブル山崎!化けものに守られた出しっぱなしの女!アダルト本?を朗読する老婆!化けもの達の弱点である「の」の字!
意味不明ですみません…ああ面白かった。

改めて書いてみると荒唐無稽な舞台のようだが、ケッ!馬鹿馬鹿しいぜっ!とまるで思わないのは大竹さんの卓越した演技力(あの幅の広さはハンパじゃねぇっ)、そして松尾さんの脚本に染み付いているホノアッタカイもの(ご本人曰く「ぬるーい荒野をぬるーく必死に行きたい願っておるのです」)、それからお二人の独特の空気感があったから。

カーテンコールで照れくさそうに一瞬だけ目を合わせるお二人、ブラボー!
ちょいと頑張ってチケットを確保した甲斐が大有りでございました!

これを書いている今、源さん(小林隆さん)が徹子の部屋に出演中!
今度はラブコメディの舞台だとか!
ああ観たいものが目白押しで困る…!