「天保十二年のシェイクスピア」を観た その2

(その1からの続き)

浮気草のエキスをふりかけられた二人が人形浄瑠璃よろしく老婆たちに操られるさまは、唸りたくなるほど見事な演出であり演技であった。
現時点で我が心に残る舞台のシーン・ベスト3に入る…いや、もうすでに殿堂入りかな!

あー参加したかったな闇鍋!(え?)
「老婆は一日にして成らず」という幕も大好きだ。つまり老婆好きだ。(そこだけ書くと妙なフェチみたいだが…)

シェイクスピア作品は代表的なものしか読んでいないので細かい部分は理解できていないのだろうが、それでも十二分に楽しめた。
カーテンコールもサービス満点だったし生の役者さんたちの魅力と迫力、作品の持つ底力、演出家の熱意、すべてが絡み合ってパワフルな舞台になっていたのだと思う。
スタオベしている時、「ブラボー!」と叫べるもんなら叫びたかったっす。(そんなこと言うのは恥ずかしいタイプ。なんかないかな、日本語で。叫びやすくて気持ちが込められて日本の芝居空間でも浮かない言葉って。ううむ)

少し残念だったのは後半がやや冗長だったこと。
物語の終焉に向けて凄惨な場面が多くなるので無理もないのだが、笑いの要素が減り出演者も絞られ悲劇を突き詰めていくために、観る側の疲労度は増す。それだけのめり込んで観られたということなのだろうけれど。

しかし勿論、観終わった後には5つ星レストランでコースディナーと年代物のワインを頂いたかのような満足感があった。(そんな経験ないけどな)
現実には空腹感に足をせかされたわけだが。(おいおい)

この後の食事会がまた楽しくって。もう皆さん(て誰?)ごめんなさいといいたくなるくらいに。
芝居の話、スマ話、政治の話にワイドショーネタまで取り揃えて老婆予備軍(失敬…)が闇鍋食べたようなもんですわいな。
今後観劇やらで友人達と会うときには大将に「ちょっと筑波山で寄り合いがあるから」と言って出かけようと心に決めたスミコでありんすよ。

ちなみにこの日、所用があり大将はドラを連れて帰省していた。
おかげさまで私は羽を伸ばし夜遊び。
いつもありがとうね、大将そしてドラ、そして芝居の友よ!

21世紀の下総の国に帰宅した老婆予備軍スミコは忘文を見て号泣。黒バラを見て爆笑。

今朝窓を開けるとベランダの朝顔が名残の花をつけていた。
オーラスで仲間と乾杯できなかった私が昨夜乾杯できたからかも。なんてね。