土曜の夕方、いつになく元気のない顔のドラが「おひるねしたい」と言う。
布団をはがしていないか寝室に様子を見に行くと寝顔が真っ赤。
久しぶりの発熱だった。

その瞬間「ヤラレタ!」と思ったのは、翌日に三谷芝居(12人の優しい日本人)を控えていたから…という自己中ダメ母でお恥ずかしい限り…。
大将はまたもや出張中なので観劇中はドラをまた(頼もしくも有り難き)友人が預かって下さることになっていたが、流石に具合の悪い子供を寒い中連れまわすわけにはいかない。

信じられないほどの幸運に恵まれ先行発売でチケット(しかも良席)を手に入れることができた「12人」だが、これはもう諦めるしかない。
初めて生で観られると思ったミタニン芝居だが、そこはもう涙を飲むしかない(しつこいですから、アナタ)。

高熱でぐったりしているドラを見ていたら「お芝居に行けないよーん」という哀しみはいつしか消えて「とにかく治れ、楽になれ、いつものお喋りおちゃらけドラに早く戻れ!」という祈りで胸が占領された。腐っても親、というところか(腐ってんの?アナタ)。

いつもは少々風邪をひいても元気で生意気なドラが、今回は珍しく食欲減退し口数も減り起き上がれずにいるのだから、いくら腐れ親でも心配になりますわいなぁ。

とにかく寝なさい、寝てるしかないよ…と布団をかける。
するとドラが「ママ、手が冷たいね」と私の手を小さな両手で包んで温めようとしてくれる。
熱があるので異常にドラの手は熱かった。
ちょっと涙がでそうになる。

もういいよいいよ、お芝居なんて本当にどうでもいい。
野ブタの最終回もスマステもオンタイムで見れなくたって問題ない(んなこたぁ言うまでもないことですから、アナタ)。

夜になっても熱は下がらず苦しそうなので冷えピタを脇の下にも貼ってみる。しばらくすると少しは楽になってきたのかすぅすぅ寝息を立て始めた。
汗をかいたら下着を替えなきゃとか、加湿器は止まっていないかとか(いい加減ボロッちくなってるんだから買い換えなさいよアナタ)色々気になり私はあまり熟睡できず。

明け方オデコに手を当てたところ、びっくりするくらい普通!
え、勘違い?と体温計で確かめると6度台に戻っている。
9度近い熱が続いていたのに脅威の快復力だ、すげぇよドラ!
それともこれはマヤカシか?

↓に続く