いいやつの話。その2

20日からの続き。

たくさん使わせるのは気が引けるので、うんと安い(でも白い蕾が可愛らしい)ミニバラの鉢植えを選んだ。
1000円札を出しておつりをジャラジャラ貰ったと喜ぶドラ。
ミニバラにも負けない可愛らしさだぜっ。

結局ケーキは買わず。
朝昼晩すべて自分で作って自分で片付け、とりたててご馳走を作るということもなく。
晩御飯なんざ、ブリの照り焼きにふろふき大根、豚汁と温野菜サラダという質実剛健・純日本的庶民の食事。
大将が不在だからお酒も飲まず。

でもドラが美味しい美味しいと食べてくれて、お祝いの歌を歌ってくれた。
十分でがんす。
ケーキはもうすぐ来るドラの誕生日に食べりゃええさー。
乾杯もその時でええさー。
ツマの誕生日にはいなくても、息子の誕生日にはあの大将ならきっと早く帰ってくることだろうさ、ふん。

この木曜日、20時過ぎという奇跡の時間帯に帰宅した大将だったが(いつも余裕で零時を回るのにー)、それは風邪で具合が悪くなってのことだった。
熱はなかったもののややぐったりしていた。
その割に夕飯をパクパク食べてはいたが。
翌日の午前中は休むからとしっかり朝食を摂った後また寝る大将。

心配しつつ、この日に二度目の‘武士の一分’鑑賞を目論んでいたスミコはやむなく計画を断念、ちょっとした殺意を覚える…って、いくらなんでもそれは嘘だが、ふと定年後の生活なんてものを思い浮かべたりして軽ーくブルったりして、あはあはあは(鬼嫁?)。
まーとにかく滋養のあるものを摂らせねばとカステラや苺なんかを買ってきて、昼にはネギをたっぷり入れたうどんを食べさせた(鬼嫁返上?)。
薬も飲んでかなり快復した様子ではあったが、今日はこのまま泊まり仕事だというからさしもの鬼嫁も同情して送り出したわけで。

先ほど電話で話したら、すっかり元気そうだったので一安心。
無事に帰ってきてねー明日は出かける用事があるからー!(やっぱり鬼嫁)

忙しくて忘れてるんだろうなーと思っていたが「オメデトウ」と言ってくれた大将はちょっといいやつ。
「壊れたのならプレゼントは新しいケータイにするかー」と言ってくれた大将はうんといいやつ、に格上げしようかと思ったのに。

「一円で売ってるからさー」だと。

この嫁にしてこの夫あり。
割れ鍋にとじ蓋たぁよく言ったもんだ。

ドラよ、ボロ鍋の中でもいいやつに育ってくりー。