胸騒ぎ

エー世の中には、嬉しい胸騒ぎと嫌ァな胸騒ぎの二種類がございます。
嬉しい胸騒ぎ…ってぇ申しますと、まぁまず第一が恋。
恋!
いい響きじゃありませんか、KOI!
別に横文字にする必要はありませんやね、恋という字はしたごころ〜。

何で今日は突飛な落語口調かと申しますと。
恋に浮かれるあまり…ってわけじゃあないのが我ながらシケてますがね。
なにしろ新聞読んでもニュースを見ても、胸の辺りがザワザワゾクゾクすることばっかりでねぇ。
言葉の調子っくらいはバカ明るくしたくなっちまった、というまぁこんな理由なんでして。

嬉しい胸騒ぎはザワつきゃしませんやね、さしずめウキウキとかキュンキュンとか、まぁ色で喩えりゃパステルトーン、模様ならば水玉あたり。
一転して嫌ァな胸騒ぎってヤツは、これはもうザワザワだのゾワゾワだのジリジリだの、どす黒い紫の唐草模様がお似合いなやからでして。

あたしゃ最近ね、この唐草模様にうなされてどうにもこうにも心持ちが悪いんでござんすよ。
振り払っても振り払っても、頭の中に悪い妄想が広がってかないません。
こりゃひょっとして、心の病気なんじゃないかと思うくらいなんですがね。

何事も弱気になっちゃおしまいですからね、せいぜい好きなものを見て好きな本を読んで好きな音楽を聴いて、考えようによっちゃぁ現実逃避かもしれませんがね、底なし沼にずぶずぶいきそうな思考回路を引っ張り上げるためには四の五の言ってられませんからね。 

だけどあたしゃふと考えた。
病気になりそうなのは果たして本当にあたしのほうなのか?
底なし沼にずぶずぶいきそうなのは、果たしてあたしだけなのか?
ご病気なのはニッポンの永田町あたりに跋扈しているお歴々で、沼に沈みそうなのはニッポンそのものなんじゃないかと。
ニッポン沈没!なんてのはフィクションだけにしといてもらいたいんですがね。

ずるずる引き込まれてやいませんかね?
戦争捨てた憲法を捨てる気満々なきゃつらの手口に、ジワジワやられてやいませんかね?
支持率50%ってのは、そういうことじゃないんですかね?

おお、くわばらくわばら。
背筋がゾクゾクするもんで、好きな人等が好きな歌を歌うのを見て布団ひっかぶって寝ちまいましたよ昨晩も。

嬉しいだけの胸騒ぎが心底欲しいもんですよ。

てなわけで、青い封筒こいこい恋。

そんなオチかよ…猿股失敬。