おめでとう その2

ドラが感想文を書くことにしたのは、絵に苦手意識を持っている+自由研究といわれてもピンとこない…からであった。
それに感想文なら、本を買ってもらえるというオマケもついてくる。
指定図書の中からドラが選んだのは「いいものひろったくまざわくん」という可愛らしい本だった。

とても面白そうに読んでいたのに、いざ感想を書く段になると眉間に皺。
暑い夏の盛りに机の前で地蔵化しているので、どこが面白かった?どんな風に?などと質問して糸口を探させようとしたが。
普段はお喋りなドラがこんな時だけ無口になる。

ド「えー、わかんない」
私「わかんなくないでしょ、笑いながら読んでたのはどのへん?」
ド「このへん(挿絵のページを指差す)」
私「…」

こちらまで地蔵化しても埒が空かない。
ここは一つ音読してやろう…と本を手に取り、登場人物(人じゃなくてクマと犬とねずみだが)を演じ分けるスミコ。

なんとかドラは‘感想’らしきものを箇条書きにしはじめた。
‘面白かった’だけで済ませたら伝わらないよ、自分の言葉で詳しく書いてごらん…と知った風なアドバイスをする母スミコを、時々恨めしそうに見ながら文字通り汗まみれで奮闘するドラ。
途中で涙ぐんで投げ出しそうになるドラを宥め励まし、内心では「こんなに親子揃って苦労するなら来年から感想文はやめてもらおう。本が嫌いになったら大変だし…」と思ったりもしたが、4日かけて仕上がった感想文は‘ヤッター!宿題できたー!’という懐かしい達成感をドラにも私にも与えてくれた。

それだけでも充分だったのに、賞状(と筒←ドラにとっては重要アイテム、笑)まで頂けて。
有難いことだ。

すぐに有頂天になるドラは「今年も感想文書く!」と今から張り切っている。
あの苦労を忘れたか…ま、3年生から感想文は夏休みの必須課題になるようだし、このヨロコビを忘れずに頑張ってほしいものだ。

体操スクールで伸び悩んでいて近頃なかなか進級できず、「ご褒美ドーナツ」ではなく「残念コロッケ」ばかり食べているドラ(でもコロッケも大好物)、今回はご褒美の本が欲しいと言う。

私「わかった。どんな本がいいかなー」
ド「あのさぁ」
私「んっ?」
ド「ママ最近少し太ったんじゃない?」
私「…」

ま、まさか、母のダイエットのために食べ物でなく本を所望?

何でもええねん、本をたんと読んで大きくおなりー。