ドラの受難 その1

先週金曜日の昼過ぎ、ドラ(息子・仮名)の学校から電話が来た。

(あーもしかしてまた吐いちゃったのか?)と思いつつ「いつもお世話になっております」などとご挨拶をしていたのだが。
担任のH先生の声に緊迫感が溢れているな…と感じた次の瞬間にこう告げられた。

「実は掃除中に、Rくん(ドラの本名)が歯を折ってしまいました」
「はい?」
「足を滑らせて床に顔を打ちつけて前歯が折れてしまいまして、すぐに歯科医に連れて行こうと思っております」

何がなんだかわからないままに、かかりつけの歯科・S医院の名前を告げて電話を切り、身支度を整えていた。

すぐにまた電話がきて「すみません、そちらの歯科ですと午後の診察が3時からなので、すぐ診てもらえる学校の担当医に連れていってもよいでしょうか」とのこと。
即座に了承し、タクシーを呼んでM歯科に向かった。
M歯科にはまだドラは着いておらず、待合室で待つ。
どうして歯を折ったのか、そして今現在ドラがどんな状態なのかまったく掴めないままなのでどうにも落ち着かず。

数分後、車でドラが教務の先生に連れられて到着。
普通の足取りで歩いていることにまずは安心する。
間近で顔を見て、さらにホッとした。
痛がっている様子がなく、出血も腫れもないようだし本人が思っていたよりもずっとしっかりしていたから。

ただ、「よく我慢したね」と頭を撫でたら一瞬涙ぐみそうになったので、もちろん内心受けたショックは大きかっただろうと思う。
(ドラは家では泣き虫だが、外ではめったなことで泣かないオトコなのだ、わはははは。←こんなとこでちょっと自慢するなスミコ)

さっそくM歯科で診察していただく。
レントゲンを撮ると、根元は無事であることが確認された。
上の前歯が二本、右の歯が斜めに、左の歯がぷっつりと中ほどで折れている状態で、右のほうが神経(ピンクスポット)が見えかかっているとのこと。

なんせ永久歯である。
いろいろと説明を受けた結果、治療には長い時間がかかることがよくわかった。

M歯科の先生からかかりつけ医を問われたのでS医院です、と答えるとすぐに電話をしてくださった。
S医院の院長は小児歯科にも詳しいらしく、S先生ともよく相談なさったほうがいいですよ、とM先生にアドバイスされる。

続く