ドラの受難 その2

M歯科で折れた断面に薬を塗っていただき、一度学校へ戻ってドラの荷物を引き上げてから改めてS医院へ向かう。

S医院で再度レントゲンを撮り、説明を受ける。
ドラの年齢だと歯の根元の組織がまだ発達途中なので、すぐさま根本的治療ができないのが難しい点らしい。
そして当面は断面に薬を塗布して、神経が露出しないようにするしかない、右の方は少しにじんできているので薬が取れてしまうと痛みが出ると思われる、やわらかい薬なので取れやすいが今の段階だとこの方法しかないため、薬が取れたらすぐに来てもらうしかない…ということだった。

結局、金・土・日・月曜と4連チャンでS医院へ通った。
ただ、先生の予測に反して?薬が取れてもドラはほとんど痛みがないらしく(少ししみる程度だと言う)、この分なら毎日通院しなくても大丈夫かも…まぁ様子をみましょう、ということに。

根元の組織の成長を待って…の、「待つ」というのがどのくらいのスパンになるのかわからないので、昨日聞いてみたらば。

「そうですねー、三年後くらいでしょうか」

うひょー!
ドラ六年生のみぎりかいっ!

でもこういった事故の場合は、歯が根元から折れてしまったり抜けてしまったり、ひどい場合は歯茎に陥没したり(!!)、唇をつきやぶってしまったり(!!!)、想像するだに辛い状態になることもままあるらしいので、ドラはまだマシだったようだ。

ひとりで転んだので他の子供を巻き込んだり巻き込まれたり、ということがなかったのも良かった。

しかし落ち着いてくると「なんで転んだの?」という素朴な疑問がわきあがってきた。
ドラと担任H先生の話を総合すると、教室の床を雑巾で拭き掃除していたドラが狭い場所もやろうとして足を滑らせたらしい。
咄嗟に手をつけなかったのかな…私のどんくさい遺伝子のせいかな…しかし先生曰く「狭すぎて手をつけなかったんでしょう」とのことで。

なんにせよ、起きてしまったことは仕方がない。
せっかく綺麗に生えたピカピカの前歯が2本も折れてしまい、食事しにくそうな姿を見ると正直胸が痛むけど、とにかく痛みがないというのが救いだ。
学校の先生方もM歯科・S医院の先生方も、本当に親身になって対応して下さり、こういった経験も無駄ではないと思える。
むしろ貪欲に前向きにならなくちゃー、と思っている。

あら、スミコってば『少女パレアナ』みたいかしらっ。