母のこと(その14)

18日夜は遅くまで弔問のお客様がいらした。
皆さんお忙しいのに、本当に有難いことだった。
受付をして下さった義兄と姉の知り合いの方々には大変お世話になった。
遅い時間の受付は甥っ子たちがやってくれ(ドラもたまに受付に座っていたが…猫よりは役に立ったのかしらん?)、そして祭壇前の棺に眠る母を一人にしないよう、誰かしらその近くに居てくれた。

この夜のことだったと思うが、大将がいきなり「お母さんにチョコレートは?チョコ入れてあげないの?」と言い出した。
母は甘いもの全般大好きだったが特にチョコには目がなかった。
どこに行くにも必ず飴ちゃんとガム、そして小さなチョコを持ち歩いていて、うちに来た時もそれらを大将やドラに嬉しそうに分けていたっけ。
(私はそんなに甘党でないため、彼女は残念そうだった。)

「なんかね、お母さんがチョコを入れてちょうだい!って言ってる…」

さすが食いしん坊つながり(笑)。
そういうことなら…と、翌朝姉と再び両親宅に行き母がお取り寄せしたであろう『六花亭ホワイトチョコレート』を持ってきた。

19日の告別式前、棺にスカーフと帽子を入れ(スカーフの一枚はYさんが母の襟元にふんわり巻いて下さった)、大将に直々の指令があった?チョコレートも添えた。

それを見て今度はドラが「ねぇ、もなかはいいの?もなかも入れてあげたい」と言う。
確かに最中も好物でした…。
お母さんったらドラには「最中も〜!」というイメージを伝えたのかもねと笑いながら、お客様用のお菓子に小さな最中があったのでそれを一つ棺に。
(ドラも得意げに「おばあちゃんが言ってるんだよ」と胸を張っていた。大将もドラも思い込みかもしれないけど、どちらにしたって母は喜ぶに決まっている。)

わが夫と息子はこのように生活感たっぷりなメッセージを受け止めていた?ようだが、同じ場所で義兄と甥のHくんはノーブルな…と称しても良いような体験をしていた。

これは姉が別の場所で書いているので、あとで許可をもらって転記しようかな。

19日朝に私自身がした体験は、母の言葉(またはそのイメージ)ではない。
前日に頂いた弔電は、読み仮名を振ったり順番を決めたりという手筈を済ませYさんにお渡ししておいた。
告別式当日朝に届いた弔電を、10時頃だったか祭壇前で義兄とYさんと私とで整理していた時のこと。

(その15へ)