母のこと その21

49日法要も済ませたあとなのに、お葬式後の数日間について再び記憶をたどるのはどうか…とも思うが、なんとなくこのままにしては落ち着かないので、もう少しだけシリーズを続けて納得のいくところで自分なりの区切りをつけることとしよう。

2月19日、告別式を終えた夜のことまで書いたのだったっけ。
翌日には大将とドラは千葉に戻り、私は20・21・22日の三日間はせっせと父宅の片づけにいそしんだ。
何せ荷物の多い家である。
母の服(下着からコート類まで)は二部屋にびっちり収納され…収納しきれないものは吊るしてあったり畳んでソファ等に積み重ねてあったり…、幾つあるのか分からないバッグには必ず何かこまごまとしたものが入っている。
アクセサリー、手紙、本、CDの類も数知れず、おまけに姉と私が使っていたノートや文具などまで後生大事に取ってあり、本当にどこをどうしたらいいのか途方に暮れる状態だった。

とりあえず、父がこれから暮らしていきやすいようにすることが最優先課題だったので、散乱している日常的な洋服などをバッサバッサと切り捨てることから始めた。
廃品回収の日に出せるよう、まとめてひもで縛る作業をひたすら繰り返す。
物を大事にする=なにも捨てられない人だった母の生き方を痛感しながら、捨てるという行為に胃が痛くなりながら、でもこれをしないとどうしようもないのよ…と姉と二人で心を鬼にして整理していく。
つくづく思ったのは、うちの母さんには娘が二人いて良かったよね!ということだった。
息子だったらどうするんだろう、こんな場合。
てゆーかそれは私だ!
たとえば将来ドラが結婚したとしても、その人に遺品整理をしてもらうのなんて絶対イヤだー。
(片づけてあるものを分配してもらう程度ならいいけど。)
ドラにやってもらうのだって嫌…というより想像できない、あの整理下手のドラそして大将…。
やはり自分で少しずつ身の回りの物を処分していかねば。
私自身が人のことは言えない整理下手、それにスマ関連グッズは特に捨てられない病だからな…どうすんだあの大量のDVD…。

そんなことを考えつつ手を動かした。
表に出ていた衣類・布類を縛っただけでも相当な量になり愕然とする。
捨てるのもエネルギーが必要なのだ、母よ…だからわかってね、許してよね、ごめんね…とつい声に出して言ってしまう娘二人であった。

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