決戦の金曜日を忘れない その2

(22日付からの続き)

もう結果は分かっているというのに、高橋大ちゃんが出てきたらショートの時と同じように心臓がドキドキし始めた。
4回転は失敗したんだろうけど、でも…!と覚悟(なんの?)を決めて画面を見つめる。

クワド(それも回転不足で)転倒したあと、そこからの素晴らしさはここであらためて言うまでもあるまい…。
「柔らかい表情です」とアナウンサーの声がしたあたりから、鼻がつーんとしてきて。
幸せそうに、楽しそうに、情感を込めてひたむきに滑る姿に涙腺が決壊して。

あのフィニッシュの表情。
これが観たかったよ、大怪我をしてもう滑れないのかと思ったあの時から、本当にこの顔が観たかった、まだ完全復活とは言えないのだろうけれど(怪我をする前はクワドをほぼ完璧に跳べていたから)、それでも私は「全部伝わった」と思えたよ、ありがとね大ちゃん!

そんな(イタイ)ことを思いつつ涙をぬぐい、不惑スミコはハッとした。

自分の子供の「二分の一成人式」では泣かなかったくせにー!

おほ、おほ、おほほほ。
それはそれ、でありんす。おほほほ。

直後の、ウィアー嬢(違うって)の演技も素敵だった。
そして大トリはプルシェンコ
圧巻の4回転…と思って観始めたが、トリプルアクセルが危なかったりステップに切れがなかったり、全体を通して震えが起きるような出来栄えではなかったから、今回は銀メダルだったのか…と納得。
でも彼の持つ貫禄、そしてクワドジャンプへの強い信念はお見事だと思う。

ジャンプか表現か。
それは女子でも同じで、昔から議論の種だ。
両方できるに越したことはないが、両立は難しくどうしてもどちらかに傾く。
昨日NHKでやっていたスペシャル番組で、まさに今そこを突破しようとしている浅田真央を映し出していた。

シーズン当初から観ているラフマニノフの「鐘」が、12月の全日本で大輪の花を咲かせたのを実感したフィギュアヲタとしては、期待してやまない。

あの難しいプログラムを格調高く奥深く表現しきることができたら。
メダルの色なんて関係ないはず。
(結果はおのずとついてくるはずだしね。)

世間では浅田&安藤さん、そしてヨナちゃんばかりに注目が集まっているようだが私は鈴木さんも好きだ。
あの心を揺さぶるスケーティングを、バンクーバーでも思い切り!

ホント五輪は楽しいっすねー!