ハルジョオン(春紫苑)

ベランダの空きプランターに、何かの芽が出てきたなぁ…と思っていたらぐんぐん成長し、いつの間にか立派なハルジョオンになっていた。
どこにでもある雑草だけど可愛らしい。
夕方になると花がつぼんで、朝になると目を覚ますかのようにまた花開くのがなんともいじらしい。

なんて思っていたある日、花に気づいたドラ(息子・仮名)が「げっ!びんぼう草だ!」と叫ぶではないか。

「やめてよー、なにその貧乏草って」と抗議したが「だってびんぼう草だもん、あれ!触ると貧乏になるんだよ!」と譲らない。

あたしゃ知らなかったよ、ハルジョオンを貧乏草とも呼ぶなんて(泣)。
あんなに可憐な花なのに!
ユーミンの歌にもあるのに!
土手と川の間を風が渡ったのに!(ハルジョオンヒメジョオンの一節)

ネットで調べたら「繁殖力が強く荒れた土地でも育つところから一部では貧乏草とも呼ばれるらしい」とあった。
…だからってひどいニックネームだ、春紫苑(ハルジオン)という雅なる正式名称があるというのにー。

しかしだ。
よく考えてみるとうちのベランダでかの花が咲いたのは先月。
先月と言えば大将(夫・仮名)のマジパねぇ給料カット(会社都合)が始まったのも先月。

…びんぼう草…いやいやそんな、ね…

疑いのまなざしをベランダに向けてしまうスミコ、いまだ職なし。

昨夜はドラが「やっぱNゲージが欲しい、あの電車にもこの電車にも乗ってみたい、ああ金!金!」なんぞと言いだしたので、「君はチャップリンの名言を知っていますか。‘人生に必要なのは勇気と想像力と少しのお金’なんです。お金はないと困るけど少しあればなんとかなる、お金があったからって幸せになれるとは限らない」と言い聞かせた。

先日ケーブルテレビでやっていた「街の灯」を見て以来、チャップリンファンになったドラは少し不服そうに「ふうん」と頷いておった。

ふと思ったんだが、うちって昭和っぽい?ちゃぶ台のニオイする?
しゃーないぜよ、昭和生まれのとーさんかーさんなんだからさー(開き直りの自問自答)。

ちゃぶ台ひっくり返すのが特技のしゃっちょさん(月9のハニー)は、しかしちゃぶ台は似合わないのであった。
ドラマ自体もとっても「金かかってるなぁ!」(一話を見た大将の感想)であった。

来週も見るよキラキラなしゃっちょさん、貧乏草の咲く家の茶の間で(さめざめ)。