怒涛の更新にて、K2感想も。(その2)

…結局(その1)だけでは書ききれず急きょ(その2)。
毎度冗長でスイマセン!

この作品を観終わって感じたことは、命の瀬戸際で人が思うことはもしかしたらとてもシンプルなのかもしれない、ということ。
そこに至るまで時間があればある程、苦悩も深く足掻きもするだろうけど。

堤さん演じるハロルドは元々、円熟したキャラクターで温かい家庭(妻子)があり仕事に誇りを持っている。
だからこそ生きて戻りたいと強く願うが、厳しい冬山で骨折した上にザイルも一本しかない状況では選べる道は一つだけ。
どうにかして共に下山しようとするテイラーの葛藤も、自分自身の懊悩もひっくるめて受け容れようとするハロルドだが、ついに一人になった瞬間に吐露した言葉が重くて真に迫っていて堪らなかった。

もう二度と逢えない家族に伝えたいことがあるのに。

個人的な話になるが、去年2月に母が突然倒れてそのまま亡くなってしまった経験をしたのでここは辛かった。
あのとき、自分の感情でいっぱいになってしまい母の立場で考えたことがなかった。
母もどんなに、家族に言いたいことが沢山あったろうか…と思い至り、それでもきっと最終的に言いたいことは「ありがとう」と「ごめんなさい」でしかないような気がして、それは残された自分たちも同じだったような気がして…ハロルドが穏やかに瞼を閉じるラストシーンは宗教画のようで。

うー、まとまらん。
とにかく、物語終盤の二人は凄まじかった。
(セットではあるけれども)絶壁を何度も行き来する剛(テイラー)の動きに見惚れ、ほとんど同じ場所に座ったまま専門用語を交えた長台詞を完璧に体内に取り込んで喋る堤さん(ハロルド)に酔っ払った。

私が観たのは22日。
千秋楽の28日までさらに変化し進化し続けたと聞く舞台。
最終公演、観たかったなぁ…なんて贅沢だとわかっているが、つい思う。

今年は吾郎さんの舞台(象)も観たのに、結局その感想は書けずじまいだった。
不条理劇というだけあって難解でいまだに消化できていないけど、主演の大杉連さんが凄く良くて、脇で支える吾郎ちゃんも(‘吾郎ちゃん’というオーラをすべて消したうえでそこに存在していて)良くて、今更ながらそれだけでも書いておこう。

スマの中で次に舞台をやるのは誰だろう。
誰にせよ、またチケット入手に苦労するに違いないが頑張るぞー!
何事も気合いが肝心!