うちのベランダに何度か来ていた鴨(名づけて「芹沢くん」)、今朝また来たな〜と思っていたら、何と産卵して行った!

もー驚いたったりゃありゃしない!

ベランダの隅に、キャンプ用の青いビニールテントを置いていたんだが(勿論開いたままではなく、簡単に折り畳んで…ただギュッと縛ってはおらず少しふんわりした状態で)、そこにうまいことたまごをふたつ。

枝の一本、草の一枚運び込まずに、さっと来てパッと産んでとっとと飛び立った。

どーーーおーーーしーーーてーーーー???

芹沢くん…改め、芹沢さん。
(雌だったことが初めて判明)

何故うちだったのだ。
そして何故産卵までしたのだ。
さらに何故温めもせず産みっぱなしで行ってしまったのだ。

頭を抱えつつ、隣駅にある「野鳥観察センター」に問い合わせの電話をしてみた。
保護してくれないものかと思って。

「すみません、観察センターなもので保護はできかねます…」

そりゃそうか…。
市役所に聞いてみてください、と言われて市役所(環境課)に電話。

スミコ「かくかくしかじか」
環境課「ハァ!マンションの三階に卵ですか?!」

詳しく状況説明し、どうすれば良いのか相談したところ
鳥インフルエンザの心配もなくはないですし、もし雛が孵っても啼き声やフン害でご近所迷惑になる可能性もあります。それに三階では恐らく上手く巣立ちできずに落下してしまうと思います…」とのこと。

それでもうちと見込んで?卵を残して行った芹沢さんのことを思うと、簡単に「捨てる」ことなどとてもできず。

「引き取ることはできますよ、こちらで処分…ということになりますが。今回は‘なかったこと’にしてあげるのが、一番いいかもしれません。」とのお言葉を聞いて項垂れながらお願いすることに。

小さな段ボールにエアクッションを敷いて、産みたての卵をふたつ入れた。
鶏の卵より幾分大き目の、白い卵。
辺りに羽もフンも見当たらず、綺麗なもので「立つ鳥後を濁さず」「されど卵を残す」とひとりごちるスミコ。

堪忍してよね、芹沢さん。
ここじゃどうしようもない。
庭付き一戸建てだったら見守ることもできたけど。

そんなことを思いつつビニールテントを大きな袋にしまって(もしもまた芹沢さんが来たときに卵を探しまわったら不憫なので)、なかったこと作戦を決行していたら地震が来た。
(室内にいるよりベランダの方が揺れが少ないことに気付いた。)

しばらくして優しい顔の中年職員さん(男性)が玄関先まで来て下さった。

「温めずに飛び立ったということは、卵は孵らない可能性が高いと思います。でも念のため、○○水鳥公園に置いておきましょう」

命(があるかどうかはわからないけど)を命として扱って下さったことが嬉しかった。

そういえば前首相が言ってたっけ。

「命を守りたい」

あの演説はよくできてたんだけどねー。
あれ、平田オリザさんが書いたんだよね確か。
オリザさんってば、数日前によくわからんちんな発言をなさっていたけど何が本当なのかしら…。

話が飛んでいそうで飛んでいないのは、命の話をもうひとつ書きたいから。

今朝、父から来たメールに「プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス」のことが書いてあった。
添付してあった映像を見ると素晴らしい内容だった。

「我々人類、そう悲観したものではないようです。」と父のメールには結んであった。

まったくの偶然なのだが私は、同時にこちらの記事も読んでいた。

http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/100/82400.html

複雑な気持ちになった。

「日本は、海外から見ますと汚染国になってしまったので、この事実だけは、しっかり捉えてください。」

その一文に「そうなんですよね…そうなんですよね…」と何度も頷いた。

ヒステリックにはなりたくないけど、やはり子どものことは心配。

静岡のお茶からもセシウムが検出された。
岩手や宮城、栃木や千葉などの牧草も放射能に汚染された。
濃度の違いはあっても、それらが何十年単位で蓄積される恐れもある。

自分のことはどうでもいいけど、まだ11歳のドラ(息子・仮名)がこれから育っていく環境がどんなことになっていくのか、何を飲ませ何を食べさせればいいのか、考え始めるととても不安。

地震の数時間後にはメルトダウンしていたという現実さえ2カ月経ってやっと出てきた。
「ただちに人体に影響はない」なんて言葉にどこまで信憑性があるのか。
検査された野菜しか売っていないから市場のものは大丈夫、といわれても「出荷するものすべてを検査してるわけではないでしょうに?」と思う。
数値そのものだって、検査の仕方そのものを疑問視する声もある。

それでももう、覚悟を決めて買ったり食べたりするしかないんだろうけど。
乱暴なようだが‘ぶっちゃけ’大人のことはどうでもいい。
原発を容認してしまった責任もあるのだから。

だけど子どもたちのことはどうすればいいんだろう。
福島の状況は決して楽観できないし、余震は続くし…。

あまり突き詰めると恐らく神経をやられてしまうから、深く考えないようにしているところもある。

そんな毎日に訪れてくれた芹沢さんは、ちょっとしたオアシスだった。
卵を守ってやれなくてごめんよ。
この次は、ちゃんと野鳥に相応しいところで産卵して、しっかりと子育てしんしゃいよ!

…私もしっかり子育てせんとあかん。
おかげさまでドラは元気モリモリ日々を過ごしている。

この先も彼が元気に明るく生きていけるように微力ながら頑張らんといかん。
ドラだけではなくて、福島の子どもたち含めてみんな元気に生きていけるように。

こんな日記を「日常」のカテゴリーで書かなくてはならないとは。

しかし、もうこれが「日常」なのだ。

世界の皆さん、海や空気を、地球を汚してごめんなさい。
そうやって生きていくのがこれからの日常。

悲観しすぎても楽観しすぎてもいけない、なんとも難しいバランスでやっていくしかない日常。

それでも楽しいことは楽しいって言わせてもらうし、ヲタ萌えでテンチョモになったりもする。

まとまらないけど今日のところはこのへんで。