経過報告(アルジャーノンか!)

8日(水)、午前中は平熱に下がっていたのに昼過ぎからちょっと辛そうな状態に戻ってしまったドラ(息子・仮名)。
38度近くまで熱が上がり、咳も酷くなる。
木曜日は病院が軒並み休みなので今日のうちに…と、S小児科に連絡して追加の薬を出していただくことにした(とりあえず私だけで病院に行き先生に症状を説明)。
S先生が仰ることにはやはりB型だとタミフルリレンザも効きにくく、重症になるのを抑える効果しかないことが多いとのこと。
これ以上高熱になったり咳が酷くなれば、肺炎にもなりかねないから慎重に様子を見て下さいと言われさらに気持ちを引き締める愚母スミであった。
ドラはといえば、「登校できるのは熱が下がって二日経過後」という学校のルールを知っているため激しく落ち込んでいた。
というのも、10日(金)に校外学習が予定されていたから。
小学校最後の校外学習で、訪れる場所(キッ○ニアと国会議○堂)にも魅力はもちろんあるけれどもそれよりも「クラスの皆で行ける」「これが最後の一大イベント!」ということに気合いが入りまくっていたのだ。
そのための事前準備だとかグループ分けだとかも済んでいて、クラス全体で指折り数えていたわけだ。
だからこそ頑張って木曜までにバッチリ治す!と大人しく薬を飲んで寝ていたんだが…。
「熱が出ちゃったからもう行けない?」と涙目で聞かれ「うーーーーん」と言葉を濁してしまった。
夜、担任の先生から電話を頂く。
「どうですかドラくん。金曜日は行けますよね?」と明るい声。
「それが…」と経過を説明すると先生の声がみるみる低くなり「ドラくんが来てくれないとみんな淋しがりますよ…ウーンなんとかなりませんかねぇ、マスクを二重にするとか!」などと冗談めかしつつかなり本気のトーンであった。
出来ることなら行かせてやりたいし、多少の無理をしてもまた土日に休めばなんとかなるかな?とチラッと考えた…が、やはり普通の風邪と違い感染力の強い病気なのでそれはまずかろうと理性を働かせた。
「とにかく明日(木曜日)の様子をしっかりみて、朝からすっかり平熱でその他の状態も良いようならばまたご相談しますね」と申し上げた。
先生も(当然ルールは熟知なさっているから大人な対応をなさりつつも、素晴らしく人間味溢れるヒソヒソ声で)「そうですね、なんとかなるといいですね!」と励ますように言って下さった。
お会いするたびに、お話するたびに、良か先生じゃ!と感動する。
本当に有り難い。

9日(木)、朝、一応熱は下がっていた…しかし咳がまだ出る。
ドラは自分自身でも「この状態ではマズイ」とわかったようで「これじゃだめだよね…はぁぁ」とタメイキ。
「そうねぇ、薬で熱は下がってるようだけど具合がいいとは言えないよねぇ」「はぁぁ…」「とにかくもう少しだけ様子を見ようか、確率は低いけど、ね?」「うう…」
(うん、とハッキリ答えられなかったのは多分自分の身体のことは自分が一番よくわかるからだろう、だるさや身体の痛さも残っているのだ。)
落ち込むドラを元気づけようと、好きな鉄道のDVDや録画しておいたブラタモリ鉄道総研の回)を見せたりしてみた。
見ているときは目を輝かせるが、終わってしまうとまた「はぁ…」が始まる。
そんなこんなで午後になり。
相変わらず咳も鼻水も続いているし夕方には微熱。
いよいよ無理と観念しつつ「行けないね、行けないよね、ダメだよね、ダメかな?」と涙声のドラ。
「そうだね、残念だけどね…多分無理して参加したら自分も辛いし周りにもうつしちゃうかもしれない」と答えると、決定打を食らってドラ号泣。
文字通り「わーん!わーん!わーーーーーん!」、久しぶりに見る大泣きであった。
そりゃ泣きたいよね、泣くしかないよね、うんと泣け、泣いちまえ!と思いつつ、あんまり泣くとまた熱が上がるぞ…と心配にもなる。
少し落ち着いたところで、気持ちをそらすためいろんな話をしてみるが普段のように乗ってこない(無理もない)。
甘いもの(ゼリーやプリンや杏仁豆腐を並べてどれでもお食べ!と言ってみた)も殆ど慰めにはならないようであった。
担任の先生から7時ごろお電話を頂く。
参加できそうにないです、と申し上げると心底ガックリとなされて(うなだれるお姿が見えるようだった)申し訳なくなる。
少しドラと話していただけますか?と言って電話を替わる。
さっきまで大泣きしていたことは勿論おくびにも出さず「すいません、行けなくて…僕の分も楽しんできてとみんなに伝えて下さい」などと話している。
先生はあれこれ楽しいお話もして下さったようでドラはケタケタ笑いながらしばらく受話器を握っていた。
再び電話を替わると先生が「すごいですねドラくん。気を遣わせないようにしてましたね」としみじみ。
「先生の前ではしゃっきりしてみせてましたね、少しは成長したんでしょうか」と笑うと「本当にすごいです」と褒めて下さった。
そんなふうに受け止めて下さる先生だからこそのドラの成長です、とはその場では言えなかったけれど。
感謝してあまりある恩師です、私にとっても。
先生とお話して気持ちに区切りがついたのか、ドラは少し元気を取り戻して「なんか面白い番組ない?」と聞いてきた。
スマヲタスミコの面白い=スマの番組だったりするので(世間の皆さますいません)「こないだのスマスマ!」と即答してコント(鈴木まなぶ&ポジメタル)を見せた。
天才子役コント(鈴木まなぶ)はくすくす程度だったが、ポジメタル(木村さんがデスメタルバンドのボーカル役)を見た途端ドラが弾けた!
ものっすごくツボにヒットしたらしく、爆笑に次ぐ爆笑で歌(愛は勝つ)が終わると「もういっかい!もういっかいみたい!」とせがむ。
ヲタスミとしては色んな意味で嬉しくなりいそいそとリピート。
結局連続3回みて(まだ見たいと言われたが流石にやめておいた)(また熱が上がるかもしれないっていうくらいに盛り上がっていたので)「はー面白かった!おれこれ好き!デスメタルさいこう!」とかぬかしおった(あれはポジメタルだってば)。
どうしよう、近い将来ドラがデスメタルバンドでキーボードとか弾きだしたら(それもまた一興か)。
スマスマコントのおかげもあって、すっかり機嫌が良くなったドラではあったが寝る前にはやはりまたため息をついておった。
寝言も多くて「おはようございます!」とか「えーそんな!ひどい!」とか「たいくつ…」とか随分様々な夢をみている様子が見て取れた。

10日(金)、いまのところ熱は出ていない。咳は少し残っている。鼻水鼻詰まりもちょっとある。まぁ概ね良くなってきた、というところか。
このまま全快してくれますように!
あとでまたポジメタルみせてやるけんのぅ!